ドクター青木のぞうさん日記

makenaizone主宰の青木正美が、自分の生活の中でできるボランティアとは何かを考え、実行してみよう、そんな四方山話を綴ります。
Dr Aoki's Prescription...

2014.10.3

2014年10月3日 金曜日

自分の身は自分で守る、増々この国はそうなってきたように思う。
台風18号に続いて19号が発生した今日。
台風が関東に最接近するのは6日の日中のようだが、台風の進路に向かって東側の雲と、列島を縦断するように秋雨前線が掛かっているので、台風の北上とともに今後雨脚がぐんと強くなってくるだろう。

広島市や兵庫県丹波はもとより、これから新たな土砂災害がたいへん懸念される。
早め早めの用心を心掛けたいものだ。

心掛けたいものは、他にもある。
今の時代は台風情報や気象情報を出しているのは、気象庁という役所ばかりではない。ウエザーニュース社など信頼できる情報筋があるので、しっかりと自分の目と耳で情報を察知して欲しいと思う。

まず、当該日時に大きなイベントがある場合、主催者や幹事の人々は客や出演者やスタッフの安全を考えて、できるかぎり早期に中止をするべきだ。勇気を持ってだ。
もしも台風が逸れれば、それはそれで良かったではないか。もしもイベントに直撃したていたら、どんな結果が待っているのか分からない。イベントを予定通りに行うよりも、延期する勇気を持って欲しい。
そのためには、まずは正確な情報をとる事が何よりも大事だ。

もちろん、同じことが個々人にもいえる。不急不要の用事で命を落とすのは、余りにも馬鹿馬鹿しい。

それでもどうしても出かけなくてはならない場合、最悪のことを想定しながら行動して欲しい。
以下は311以前からわたしが実行してきたことだが、311を経てより厳密に実行していることである。

新幹線(遠方への在来線でも)に乗る場合、乗車駅で500mlペットボトル2本、チョコレートなどのお菓子または弁当を一個余分に購入する。

東京から新大阪までだと、わたしは自分で食べるつもりの弁当の他に、天むすなどの箸を使わないで食べられるものを購入する。水は3本ほど。だから当然ながら、荷物は重くなる。手が痛くなる。しかしそれも含めてたいせつなリスクヘッジだと思っている。食べなかった弁当は、行く先で会う人への無事の証拠のお土産にすればいい。水は持って歩いていても、その日のうちに必ず消費するはずだ。

ことにJR東海は大震災時の被害想定を一切出していないが、わたしは2007年に東京行き最終新幹線で移動中に静岡県内で人身事故に遭った。豊橋に4時間ほど停車して東京に着いたのは午前4時近くだった。この時、水3本とチョコレートが持っていたため車内で読書をしつつ時が過ごせた。しかし同じ列車にはきっと飲まず喰わずで難渋していた人がいたに違いない。それに車内放送はたいへんにお粗末で、いつ動くのか動かないのか、最後まで状況が把握ができなかった。TwitterもFacebookも無い時代だった。

あの一件から想像すると、恐らく地震災害の時には、仮に発災時に新幹線が正常に停止したとしても、なかなか状況の把握ができなくて列車の中に何十時間も取り残されることが予想される。
同様に、大雨や台風などの場合も車内に閉じ込められてしまうに違いない。
なぜならば、JRでは軌道内に乗客が勝手に出る事を禁じているからだ。

ついでながら、平時でもペットボトル1本は鞄に入れて持ち歩きたいものだ。今の日本では、何時何処でどんな事態に遭遇するか分からない。
そのとき、生死を分けるものは一本の水なのかもしれないからだ。

それにしても,この18号は手強そうだ。
今朝11時から、グングン気圧が低下中だ。5時間で4hPa下がっている。むむうぅ。。。


2014.9.30

2014年9月30日 火曜日

星月夜未知なるときへ胸躍る
張り裂けし想ひ乗せたる月上る
つぎのバスには乗ろう一緒に


2014.9.29

2014年9月29日 月曜日

新聞やテレビのメディアが余りにも不勉強不見識なので、今まで分かっている知見から今回の御嶽山の噴火について記す。
自分も何ぶん完全なる門外漢なれど、マスコミが余りにも酷い不勉強なので、このままでは第二第三の噴火が見逃されることになると思って筆を、否キーボードを叩いている。

まず、日本列島付近には110もの火山がある。その火山はすべて、プレート境界に沿って存在する。なぜならばプレートの沈み込み運動に因って出来たマグマを排出する口が、火山口であるからだ。(火山の成り立ちにはプレートと無関係で、地球の核からマントルを溶かしながら上がってくるマグマを排出する火山もあるが、今回は長くなるので省く)
一昔前までは、プレート境界型地震と火山活動の関連については、まだまだ解明に至っておらず、しばしば地震と火山の関係性が不明な時代が長くあった。それで、日本列島の火山は、7つに分類されてきたのだったが、現在ではプレートテクトニクスに因って火山運動も解明されつつある。

日本列島は陸のプレートの下に海のプレートが沈み込む「沈み込み帯」という場所に位置する。「沈み込み帯」での火山の最大の特徴は、プレート運動に因って常にマグマが供給されているということである。

プレート境界でのマグマの形成過程はこうだ。
プレート境界の深い場所では、プレートの沈み込む摩擦に因って高温高圧になっている。殊に地下100kmの所では、沈み込む海のプレートから水が浸み出てきて陸のプレートのマントルと反応し、水がマントルを溶かしてマグマを形成する。
プレート境界の地下100kmでは、1200℃、3万気圧もの負荷がプレート境界に掛かっている。この高温高圧により、海のプレート由来の水が陸のプレートのマントルを溶かして、マグマが作られる。

このマグマは、地表近くまで上がってゆき、やがてマグマ溜まりができるのだ。だが普段はプレート境界で陸のプレートと海のプレートが拮抗して高い圧がかかっているうちは、そう頻繁にはマグマは排出されない。つまり大きな噴火はしない。しかしプレート境界型の地震が起こって、陸のプレートへかかる圧が弱くなったときにマグマは地表に出易くなる。つまり噴火を起こす。それが火山噴火のメカニズムである。
日本列島の周囲でプレートの沈み込みに因って生産されるマグマは、実に年間11億トンにもなるという。

プレート境界で形成されたマグマは、その形成過程から元々多量の水分を含んでいる。これが地表近くに出て来た時、水の分子が気化する事に因って、体積が1000倍以上になる。従って、プレート境界で起こる火山噴火は大規模な火砕流など、爆発的になる事が多い。アイスランドやインドネシアの火山噴火とともに、日本列島もその例である。

つまり、プレート境界では常に水分を沢山含んだマグマが形成されており、プレート境界では時々、地震が起こってきたのだ。そうして地震の後には、マグマの噴火がある。これはプレートのメカニズムからして、至極当然な一連の流れと考えてよいだろう。

2011年の東日本大震災では、マグニチュード9という人類史上最大級の地震が起きた。
人類の歴史上現在まで、M9の地震は4回あり、その全てはプレート境界型地震であり、その3回まではその後に火山噴火が観測されている。たった一回の例外とされて、その後に火山噴火を見なかったのが東日本大震災だった。
もう一度記す。これまで人類史上、M9の地震が起こって、その後に火山噴火を伴わなかったのは東日本大震災だけだったのである。従って311の後、火山と地震の専門家は、大規模な火山噴火を今か今かと固唾を飲んで待っていたはずだ。

プレート境界で起こる地震は、沈み込む海のプレートがもうこれ以上沈み込めなくなってリバウンドを起こした時に発生する。するとそれまでプレート間で大きく圧が掛かりながらマグマが押さえられていたのだが、プレートの沈み込む圧が急に減じることによって、陸のプレートの中でマグマが押さえきれなくなり、マグマはかなり地表近くにまで上がってきているはずだった。つまり、火山の場所はともかくとして、東日本火山帯の火山が噴火するのは時間の問題だった訳だ。

日本列島にある火山帯は、プレートテクトニクスが解明されてからは、以前とは全く違う分類がなされていることは前述した。(とはいえ、門外漢の青木がら言わせれば、まだまだ分類も途上なのだろうか。不明な点が多々あるのだが)

北米プレートに太平洋プレートが沈み込む「沈み込み帯」に属する【東日本火山帯】と、ユーラシアプレート(一部アムールプレート?)にフィリピン海プレートが沈み込む【西日本火山帯】。今は東日本火山帯に属しているのだろうか?太平洋の小笠原あたり、つまり、ここは変則的ながら海のプレート同士がぶつかっている場所で、フィリピン海プレートに太平洋プレートが沈み込む、【旧富士火山帯】に分けることができる。

今回の御嶽山は、東日本火山帯の最も西の果てに位置する火山なのだ。
つまり、3年半前の東日本大震災によって、大きくプレート間の圧力のバランスが変化した日本列島では、東日本に位置する火山は、それまでに溜まりに溜まったマグマへの圧が減じて、吹き出す口を探していたはずなのであった。
だから、浅間山が噴火しようとも、岩城山が噴火しようとも、岩手山が噴火しようとも、磐梯山が噴火しようとも、鳥海山が噴火しようとも、東日本火山帯に属する火山ならどこが噴火しようともよかったのだ。もちろん、御嶽山は大本命中の本命候補だった。

さて、本稿の一番始めに書いたように、火山帯の分類は昔と変わっている。昔は富士火山帯とか那須火山帯とか言っていたものだが、近年、プレートテクトニクスの解明が進んで、沈み込み帯周辺の地震と火山の関係について研究が進んだからだ。

だからこそ、今回の御嶽山の噴火は「予兆がなかった」と気象庁は言っているが、火山性の地震や低周波地震があったと発表されているのだ。それは立派な「予兆である」。それを予兆と言わないなら、何をもって予兆というのだろうか。ふざけるな。
予兆は小さく短かったにしろ、あったことはあったのだ。
火山予知連絡会やら何やらが、どんな言い訳をしようとも、それは揺るぎようもない事実である。

すると、この度の噴火に因る死者は、人災だったのではないのか。M9のプレート境界型地震の後に起こるべくして起こるはずの火山活動を、この国の専門家が過小評価したことに因って起こった、世にも見事な人災ではなかったのか。
もしも東日本火山帯に属する火山に、もう少し世間の関心があれば、もう少しマンパワーがあれば、南海トラフ地震に対する予算の1/1000でも付いていたら、こんなことにはなってはいまい。

快晴の紅葉の候の休日の昼に起こってしまった噴火であったので、早朝に登山を開始した登山客が山頂でお昼を食べる時間であった。リュックの口は緩めて、気も緩んでいたに違いない。
もしも噴火が午後3時なら、登山客は大方下山していて、死者は激減していたに違いない。


日本の国土は、地球上のたった0.25%に過ぎない。そこに地球上で起こるM5以上の地震の25%が集中し、地球上の火山の7%が存在する。

いま現に、地震の活動期に入った日本は、同時に火山の活動期にも入ったと言っても過言ではないのだ。
つまり、これからも同じように東日本火山帯に属している火山では、プレートの圧が緩んだがために、マグマが上昇してきているのであるからして、必ずやこれからも火山噴火が起こるはすである。
もちろん、全く同じ理由によって西日本火山帯の火山噴火が南海トラフ地震と連動して起こる事は充分考えておかねばならないのだが。

何にせよ火山噴火の本当の意味を、もっとしっかりとした学問的な知見から、マスコミは論じるべきなのである。


2014.9.28

2014年9月28日 日曜日

永遠なる憲法九条山眠る(惜 土井たか子さん・季節は秋なれど)
天高しとわに憲法第九条
秋うららたてがみ覗く冷蔵庫 吾もレタスになりたかったよ


2014.9.27

2014年9月27日 土曜日

御嶽山が噴火した。

軽井沢ではまったく地震もなく、前日も何も異変は見られなかった。
いつも新幹線で駅に着いた時、ドアが開いた瞬間の第一呼吸で、その時の浅間山の様子を探るのだが、金曜の夜は新鮮な山の匂いだった。噴火しているときには、火山の匂いがするのだ。
金曜の晩から雨がかなり降った。土曜は昼過ぎまで寝ていたのだが、たぶん朝から晴天だったようだ。それで夕方、クルマのボンネットの上に降灰を見つけた。

御嶽山は火山の分類上、太平洋プレートが陸のプレートに沈み込む事によって生じるマグマ溜により噴火が起こる「東日本火山帯」に属している。
あの311のマグニチュード9の地震があってもなお、火山の噴火が無かった日本列島だったのだが、今回の御嶽山の噴火がM9の東日本大震災の地殻変動によって起こった噴火だとしたら、今後はかなり長く火山活動は続くのではないだろうか。

それにしても、NIEDのHi net には御嶽山の測定所がないのはどうしてなのか。最も近いのが下呂なんであって、まぁ、浅間山も御代田が最も近い測定所なのだが、どうも納得出来ない。
分かるヒトにしか分からない事を書いてしまった。ともかく東日本大震災以来、信じられないほど多くの研究費が投入されているにもかかわらず、未だに「地震界」と「火山界」の間には、深くて長い溝があるのだろうなぁ。

それから、登山客の犠牲者の死因が何なのかも今ははっきりしないが、医者が検死をしていないからという理由だけで、「意識が無い」という曖昧な表現は、あれでいいのだろうか?
だって、火山ガスが出たからなのか、落石などに因るものなのか、あるいは降灰に埋まってしまったのか、どんな事が山頂で起こっているのだかさっぱり分からない。

ともあれ、今回の噴火はHi netの下呂を見ても、当該時間ですら殆ど揺れていないことを見ても、本当に局所で急な発生だったのだろう。
であれば、川内原発なんか、ここ3〜4年で新燃岳噴火し桜島も活発化しているのだから、再稼働だなんてとんでもないことだ。

颱風17号は、列島には近づかないらしいが、安倍晋三さんよ、その目をかっぽじってよく見るがいい。こいつが来ていたらと思うと、ほんと生きた心地がしない。
この国は、とんでもない自然災害の巣なのだよ。
それにしても、今夜の東京は涼しい。
風邪ひかないように気をつけましょう!

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