ドクター青木のぞうさん日記

makenaizone主宰の青木正美が、自分の生活の中でできるボランティアとは何かを考え、実行してみよう、そんな四方山話を綴ります。
Dr Aoki's Prescription...

2014.4.17

2014年4月17日 木曜日

閉診後は特定秘密保護法についての取材。

反対する医師と歯科医師の会を立ち上げてから、色々な記者さんとお会いするのだが、どうしてこの会を立ち上げたのか説明するのに、めっちゃ時間がかかる。

色々な要因があるし、ひょんなきっかけもあるし、ひと言ではなかなか言えないのだ。

という訳で、とんでもなく長時間に渡ってのインタビューになってしまった。

急いで帰宅するも、日付の変わる直前で、既にテレビのニュースは全て終わっていて、残念!

なにしろ16日は理化学研究所の笹井さんの記者会見があったのだが、これにについてニュース番組のコメンテーターの話が聴いてみたかった。

15時からの記者会見、ニコ生で途切れ途切れに見たのだが、確かに笹井さんはSTAP現象をぜんぜん否定していなかった。

恐らくここまで大騒ぎにならなかったなら、ピースサインでもして「メッチャすごいもん発見しましたがな」とか言いそうな雰囲気さえした。

それよりも驚いたのが、質疑応答に手を挙げた「記者」のレベルだ。

テクニカルタームをバリバリ使って、ジェラシージェラジェラ燃やしながら、重箱の隅を突いてくる。一人で何問も質問してくるツワモノばかりだ。

しかし笹井さんは些かもSTAPについては疑念を持っていない。それが質問で、どんどん露になってくる。ちょっと面白い会見になった。

体細胞に2日間ダメージを与えたあと、酸性溶液に浸すと細胞の初期化が始まるが、そのダメージの掛け方の詳細は小保方さんがコツを掴んでいる、と質問者を軽く突き放す。

でもジェラシージェラジェラの質問者は諦めない。なぜT細胞リンパ球を使うのか、B細胞ではダメなのか、とかいう。ジェラジェラの言葉尻には余裕が全然ないが、緊張はしているものの、笹井さんには明らかに余裕が漂う。

この国は、だからどうかしている。

もしかしたら100年に一回あるかないかの大発見かもしれないのに、他人の成功は素直に喜べないのだろうか。

もちろん、こうした議論や切磋琢磨は必要だ。そう、絶対に必要だ。

でもね、こんな記者会見でジェラジェラやるもんじゃないじゃん?

マスコミ各社もSTAP刺客記者を大挙して繰り出すよりも、もっと他にやることはないのだろうか。

ま、昼間から仕事中に、ニコ生を見ている自分も自分なのだけれども。

しかし、これでSTAP現象というもがあるらしいという事が分かってきた。

2日間のダメージというのは、何なのだろう。というか、どうして発見に至ったのだろう?

きっと、すごくひょんな偶然から発見したに違いない。

日本はいま、世界史に残る大きな自然災害と原発事故の渦中にある。

そんな国で、もしもSTAP現象というものが本当に何度も再現出来るものなのであれば……神さまって案外近くにいるんじゃなかろうか、と思ったりした躑躅の咲き始めた、朧月の十六夜だ。


2014.4.13

2014年4月13日 日曜日

閣議決定とは、業務上行われている内閣の意思決定の一形式。憲法または法令に定められた法律案・法令・予算など内閣の職務権限として明示された事項および他の重要な事項について行われる。(大辞林)

武器は輸出していい、原発は絶対にやめないしもんじゅも動かす、地球の裏側でもアメリカの戦争に協力する・・・閣議で決まれば、何でも思い通りになると思っているのか。

マスコミは何をやっているのだろうか。この国の大切なことは全部、閣議で決めれば良いと思っているのだろうか。そんなことを許すのだろうか。第一、野党は何をやっているのだろう。あと3年間、国政選挙がないから、じつはほっこりしているのではないか。

この国にはこの国の未来を考えている人は、どれほどいるのだろうか。

災害がこうして見えるところで起こって、殊に東京はあの311の揺れを自らも感じたはずだ。自分の心と身体で大震災を実感したではなかったか。

そうしてあの時、福島で何が起こったのか、私たちは多いに目撃したはずだ。

なのに、どうしてこんなに直ぐに、忘れてしまうのだろうか。

向き合いたくないものに対して目を背ける・・・この国の最も悪い所だ。

その代わりに、どうでも良い小さな問題に対して、大騒ぎをする。

しかし、どんなに閣議で決めようがどうにも成らないことが、この国には存在する事を忘れてもらっては困る。

この国は、権力者の思うようには決してなりはしない。私たちはこれから、この国に生まれた者としての宿命と直面することになるのだ。そのことを忘れているようでは何の意味もない。それを砂上の楼閣というのだ。

今わたしたちは、残念ながら千年に一度の大震災時代を生きている。長いこの国の歴史の中でも、非常に稀な大震災時代に生きる事を余儀なくされている。

閣議とやらで、この事実も毎回話し合いがなされているのなら、わたしは文句も言うまい。しかし、微塵もその片鱗がないからこそ、わたしはこの閣議決定を許すことができないのだ。

原発をベースロード電源にするのであれば、それにどんな公算があるのだろうか。百害あって一利無し。何も根拠もないカネに目が眩んだ計画を許す訳にはいかない。

まずわたしたちの国は、浜岡原発と伊方原発の燃料棒をしっかりドライ保存にしなくてはならない。この2つの原発敷地内に早急に免震のドライエリアを確保してを着工しなくては間に合わないだろう。

速やかにこの6つの原子炉と燃料プールからリスクを取り去らなければ、この国は人が住む場所が無くなって立ち行かなくなってしまうからだ。南海トラフに地震が起これば、当然ながら、今抱えている東北の復興計画など、南海トラフ地震が起こった瞬間に、木っ端みじんに吹っ飛んでしまう。

そもそも集団的自衛権の話題を振りかざしても、これだけ国民の間に「凪」状態が続いているのは、実際に尖閣諸島や竹島問題の現場で隣国の「主張」が身近に起こっているからだが、それこそがこの問題の「種」である。

では、何故この領土問題の「種」がムクムク大きくなってしまったのか。それは日本が何時何時、大地震で大混乱をして国が存続出来るか否か分からない状況が近くなってきているからだ。だからその前に、「ここは我が国のものだ」と隣国が主張を強めてきているからではないのか。

つまり、アジアを始めとしてヨーロッパもアメリカも、日本が近い将来に大災害時代を迎えることは織り込み済みなのである。

例えば、この問題を一番初めにわたしが目にしたのは1996年のフランスの新聞でだった。そこには、「日本はそう遠くない将来、近代国家としての終焉を迎えるだろう」と書かれてあった。阪神・淡路大震災の翌年の話である。

日本が大震災時代を迎えているのは、その長い歴史から考えてみれば至極当たり前だと、世界中がそう認識をしている。だから日本がまだ健全なうちに、領土問題が存在するという事実を国際的にアピールしているのが、尖閣であり竹島なのである。

それにしても、首相の周囲には、恐らくこの国の最悪のシナリオを描くことができる人物が居ないのだろう。あまりにも鈍感で呑気すぎやしないか。

別に脅かすつもりも無いが、南海トラフ地震域にそこかしこで揺れが起こるようになって3ヶ月ほどが経つ。三陸沖〜房総沖でも地震が目立つ。殊に福島・茨城沖ではM5クラスの群発地震が起こっている。つい今しがたも、M5.1の地震が福島沖で起こったばかりだ。

超高齢化国家、超少子国家、人類史上最悪のカタストロフィーへの対処、頼りの綱のアメリカの弱体化、にもかかわらず集団的自衛権を進めようとしている国に対して、もっとその根本を考え、対外的なことよりも国内的な問題点に目を向けるように呼びかけることはできないのだろうか。

この政権のやろうとしている事が、危険極まりないしこれまでの国の形が変わってしまうから「反対」であるという、そういう外見だけの政権への反対論はこの際、この国の権力者を始めとして有権者にも、もうあまり響かないのではないか。

例えば、集団的自衛権を行使することで、来るべきイラン戦争に日本が派兵をすることになるとしよう。戦況が佳境にさしかかった頃に、南海トラフ地震なり首都直下地震が起これば、派遣した日本軍を即日撤退せざるをえなくなる。

何しろどちらが起きても、数十万人の死亡者が出て、そのうちの半数ぐらいが生死の不明が分からない状況になり、その数倍の負傷者が出る。原発が事故を起こせば、3000万人ほどの人々は即刻に疎開を余儀なくされるのだ。

つまり、わたしたち日本人はそういう時代に生きている。しかも高齢化は毎年毎年、進んでゆくのだ。

だからこそ今後、20年間いや15年間に起こる最悪のシナリオを頭に浮かべて、それを回避するような有効な政策を打ってゆくためには、何をしなければならないか、何をしてはならないかという、いわば「ダメージコントロール」論を政権中枢のみならず、わたしたち国民の方ももっともっと真剣に考えるべきではないのか。

事はそこまで切迫をしている。支持は全く高くないのに敵が居ないのでのさばっている政権と、強靭な政権に対してNOだけ言っている民や、生活に追われて権力者の動きなどなにも留意できなくなっている民と、そんな声を全く反映しないマスコミと、突き詰めればカネのことしか考えていない財界と、プライドだけは高いが責任を全く負わない官界と、火と水と油の国民が織りなす2014年の春なのだが、しかし私たちは唯一共通点がある。みな同じ日本列島に暮らしていることを思い出して欲しいのだ。だからこそ今私たちが置かれている状況を、もっと真剣にもっと冷静に考える必要があるのではないか。

このまま使用済み燃料をウエットのまま保管しながら大災害時代を迎えるのは、まずもって不可能である。

今日明日にでも茨城県〜房総沖に大震災が起これば、東海第二原発の2195本の使用済み燃料棒の保管が難しくなる。同様に東海地震が来れば、浜岡原発の6625本の使用済み燃料棒は忽ちのうちに恐らく燃料棒自体が剥き出しになって、想像もつかない事態になることだろう。

この国から民主主義が壊滅して、そろそろ一年半が経とうとしている。

しかし、この国のリスクは増大することはあっても、減少することはない。どんなに国民という名の忘れっぽい人々が忘れてしまっていても、自然の営みは決して忘れずに動いている。

それを利害が反するバラバラな「民」「政」「官」「財」「メディア」に、どう知らせてどう纏めてゆけるのか、もう少し真剣に考えようではないか。


2014.4.11

2014年4月11日 金曜日

撮影 森住卓

悲しみは悲しみとして桜咲く

詠み人を失念してしまったが、NHK俳句で以前に「哀しみは哀しみとして雛飾る」という句が紹介された。その句へのオマージュとして、夜ノ森の満開の桜に捧ぐ。

 

 

 


2014.4.10

2014年4月10日 木曜日

昨日の小保方会見で、彼女のSTAP細胞がでっち上げであっても、わたしの生活は変わらないと思ったけど、よく考えたら、この間に閣議決定されそうな黒い黒い案件について、急激に新聞やテレビのニュースから消えたのは、大迷惑だ。

そんなコソコソやってないで、正々堂々と、憲法改定で説明責任を果たすべきでしょう。

こちらも正々堂々と、反論をしなければならない。


2014.4.9

2014年4月9日 水曜日

小保方晴子さんが記者会見に出てきた。弁護士を2人連れてはいたものの、しっかり謝って、しかし異議申し立てするところはして、くだらない質疑応答にもよく耐えたと思う。

わたしは今年の3月中旬に自分のSNSで

彼女は誰一人も殺してはいない。「権威を失墜させた」と大人たちを怒らせているだけだ。待てよ、「権威」って何だろう?

「権威」って、大事故を起こしても決して謝らない某巨大なムラ組織とか・・。

ともかく、ちょっとリケジョを虐め過ぎとちゃいますか?

 

と、発信したら、200人近い人々が「いいね」をしてくれて、すごい賑やかなことになった。

その日、理研の野依さんの記者会見を聴いていて、非常に不快な思いがしたからだ。

「未熟な研究者が膨大な知見を杜撰に無責任に扱ってきたというのは、あってはならないことだ。倫理や教育を徹底的にやり直していかなくてはならない。」

サイエンスの最も素晴らしいところは、全ての偏見や差別を超えて、再現がなされるということに尽きる。野依さん的な言い方をすれば、女でも子供でも黒人だろうが年寄りだろうが、無能な若者がやろうか誰がやろうが同じ結果に辿り着く。

然るに、そこに辿り着くまでは、着実に一歩一歩進んでゆかなくてはならない。

丁寧な実験、データの検証、追試を繰り返し、その度に実験ノートを夜遅くまで書いて、ノートを書きながら寝ちゃって、顔を洗っている間もなく家にも何日も帰れず、カップヌードルを啜りつつ、ネズミのウンチとか白衣につけながら・・・。

だから一昔前のわたしもよく知っている研究者のイメージとはまるで違う小保方さんが、これまたものすごく信じられないようなSTAP細胞を携えて登場した時には、確かに決して軽くはないショックを受けたのも事実だった。

第一印象は「ウソっぽ」だった。

しかし、エライさん達の記者会見と世間の大バッシング大会を見ている間に、どんどん腹が立ってきた。小保方さんは誰一人も殺してもいない。

ネイチャーの厳しい査読を通った画期的な「大発見」が、仮にでっち上げだったとしても何ひとつわたしの生活は変わらない事に気がついた。

だが、もしも本当の大発見だったとしたら、とんでもなく素晴らしいことじゃないか。

STAP細胞の完成で、わたしの生活は著しく変わるだろう。だって、わたしの周囲には痛みで困り果てている人で溢れかえっている。そんな人々から採血をして、ちょっとリンパ球を分離して、「酸っぱめのオレンジュース」の中に入れると細胞が初期化されて、どんな細胞の素にもなるSTAP細胞ができるのだ。それは胎盤にさえなるという。

破壊された神経や、変形した関節、疲れ果てた筋肉、それらを全部STAP細胞で治せたらどんなにいいだろう。痛みで壊れかけた心もきっと良くなるに違いない。いや、そんなに遠くない日々に、もしかしたら自分のSTAP細胞によって治る日が来るかもしれないと、患者さんが希望を持てるとしたら、どんなに素晴らしいことだろうか。

裏にどんな輩が動いていて大金が動いているとか何とか陰謀論を一生懸命に話している人や、女性の研究者だから性差別だと訴える人だとか(一見、彼女の援護者に見えるのだがそうでもなかったりする所が残念な女性学の学者とか)、はたまた論文原理主義者のような俄学者まで、この間のこの国はちょっと皆おかしくなってしまったかのような騒ぎっっぷりだった。あまり馬鹿馬鹿しいので読んでいないが、一部の週刊誌は北朝鮮班と雅子班にも勝るとも劣らないほどの醜悪な記事を掲げていた。

今日の会見で小保方さんは、3年間で200回STAP現象を見たと確かに言っていた。

もう一度言うが、これが真っ赤な嘘であってもわたしの生活には何の影響もないが、もし本当ならば、考えるだけでわたしは幸せな医者生活を送ることができるのだ。

だって、この先、患者さんに言い続けるだろうから。

「あなたの痛みは、あなたのSTAP細胞が必ずとってくれる日が来ます。その時まで元気でいなくちゃね」って。

小保方よ、馬鹿馬鹿しい権威なんかぶっちぎれ!

公開実験で見せてくれ、STAP細胞を!

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