ドクター青木のぞうさん日記

makenaizone主宰の青木正美が、自分の生活の中でできるボランティアとは何かを考え、実行してみよう、そんな四方山話を綴ります。
Dr Aoki's Prescription...

2015.8.10

2015年8月10日 月曜日

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一日引きこもる。宅急便が来て起こされて、本読んで、微睡んで、蕎麦食べて、微睡んで、洗濯して、微睡んで、本読んで、爆睡する一日。
午前0時から夜練と思って外に出たら、かなり本降りの雨。流星群も見えないな。毎晩、少しづつ雨が降り出す時間が早まってきている。
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11日に川内原発が再稼働される。この内閣は誰のために何のために動いているのだろうか。原発は止まっていても燃料プールが空でない限り、この国では事故が起こる。
そのことを2011年3月11日に嫌というほど、分かったのではないか。原子力の専門の研究者やプラント設計士でも気がつかなかった盲点が、たった一発の地震に因って炙りだされたのではないのか。
だから正確に言えば、再稼働を止めるだけでは何の解決にもならない。燃料プールが一つでも破綻すれば、その原発敷地には作業員は立ち入ることはできない。
けれども、原子炉が動いていたら、もっと大きな事故になる。
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忘れたい者は忘れるがいい。カネのためだと言う者もいるだろう。しかし、決して忘れられない形で、原発事故の影響は私たちの社会に襲いかかるのだ。そして、それは直ぐ其処此処で既に起こり始めているのだ。そのことだけは、決して忘れてはならない。
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次の南海トラフ地震の前に燃料プールを空にしなければ、この国は確実に終わっちまう。だから、アンタはいったい誰のパペットなんだ。と、吠えてみる雨の晩だ。
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秋めいてくる外人墓地の入り日かな


2015.8.9

2015年8月9日 日曜日

長崎平和祈念宣言を観てから、長野市の友に会いにドライブ。
積もる話の折々に困った政治の話になる。
彼に歴史を語らせると、信じられないぐらいの知識があるので、時間がいくら有っても足りない。
たらふく蕎麦を食べ、ダベりにダベって帰宅。
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夜型なので、という訳ではないが、夜練にヘルメット被って外に出てみると、霧雨がだんだん大きな雨粒になってきた。緩やかな登りを一気に上がって、お蕎麦屋さんのロータリーに出る。ここから何本かダッシュをしたいのだが、みるみる本格的な雨になってきてしまった午前1時。ダッシュ2本で諦めて帰る。練習も大事なのだが、もっと大事なのは怪我をしないことだから仕方ない。
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夜練のあとは「日本のいちばん長い日」岡本喜八監督を観る。
その昔、岡本喜八監督一家と父母は大変親しくしていた。
恐らく、この映画の頃だったと思う。我が家にはいつもみね子さんが自然に居たし、私はみね子さんが大好きだった。わたしの周囲の大人の中では、子どもを子ども扱いしない唯一の大人だったし、子どもを叱るのが一番上手い人だった。子どもって、上手く叱られると道理が分かって二度と同じ事はしないのだ、ということをみね子さんから教わったように思う。
父母が死んでから疎遠になってしまったが、今もお元気のご様子を何かで読んだ。いつかまた必ずお会いしたいなぁ。などと思いながら映画を観ているうちに寝落ちしてしまった。
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岡本喜八監督があの映画を作った頃、父や母やみね子さんや監督たちは、みな戦争とは何かという問いを自分にしていたし、家族にも社会にもしていたように思う。戦争はもっと身近で生々しく人々の心の中で生きていた。
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あの頃から50年近く経ったのだ。映画の中の俳優や関係者は鬼籍に入った人が多い。
ギリギリの選択の末に、70年間平和であった日本だが、70年経ってあらゆる意味で変わったのは仕方あるまい。70年間も生々しく戦争を記憶している人は、ほんの一握りになってしまったのだから。
ならばここで、今度は戦争を全く知らない私たち自身が、堂々と平和を希求しているのだと、声を上げていこうではないか。
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亡き岡本喜八監督や父や母の苦しい体験を、思い出した長崎忌だった。
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2015.8.8

2015年8月8日 土曜日

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金曜デモと東京華火火大会をチラ見して、休み前の予定は全部終わり。
涼風が吹き始めた東京から最終の新幹線に飛び乗って、信州人となった。
これから一週間は積極的引きこもり主義の日々だ。
月から金まで判で押したような人と会う仕事をしていると、何よりのごちそうが引きこもり生活なのだ。
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人と会う約束は2つだけ。あとは重要な順に自転車の自主トレして、映画をできるだけ多く観て、秋からの勉強会のための調べもの、短い原稿2本、読みたい本は数冊。
もちろん安保法制も気を配りつつだけれども。
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新涼といふ風になりペダル漕ぐ

2015.8.7

2015年8月7日 金曜日

間も無く川内原発が再稼動される。ここまで原発のリスクが分かっていて、なぜ再稼動なのか。ここまで戦争の被害が分かっていて、なぜ集団的自衛権行使なのか、この2つは同根の問題である。

想像力のない人々が無責任な権限を握っている、しまったと思っても中止する訳にはいかない、ここに尽きる。

権限を握っている各々方へ告ぐ。この国が存命できるように、皆で力を合わせてゆこうではないか。もう時間がないのだから。

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『天地動乱の果てに〜目を覚ませ日本』

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[はじめに]

2015年6月30日未明、箱根山が800年ぶりに噴火した。この状況は千年前の貞観地震の時代に酷似してきていると、最近しきりと言われ始めている。これは2011年の東日本大震災で日本列島を構成している4枚のプレート間のバランスが大きく変化した結果として、陸のプレートに掛かっていた圧力が弱くなり、地下からマグマの上昇が起こって全国の火山活動が活発化しているのである。

今、この国はまさに千年に一度の天地動乱の時にある。この国に迫っている本当のリスクとは何なのか。そのリスクから目を逸らし続けいるのは何故なのか。その最大のリスクに対処する術はないのか。

建国史上最大の国難とも位置づけされている南海トラフ地震による、「最大のリスク」について論考したいと思う。

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[南海トラフ地震の予感]

日本列島は房総半島・伊豆半島を中心に弓状に湾曲をしているが、その理由は伊豆半島の付け根で大陸側に陸のプレート2枚と太平洋側から海のプレートが2枚、計4枚のプレートが交わって複雑な地殻を形成しているからだ。

2011年3月11日、北アメリカプレートと太平洋プレートの境界で起こった巨大地震は、今新たな局面に移行しつつある。2014年の11月22日、長野県北部地震の発生は、東日本大震災で引き起こされた日本列島の地盤のアンバランスが、南海トラフ地震を引き起こすユーラシアプレートとフィリピン海プレートへと干渉し始めたことを意味している。以来、日に日に南海トラフ領域を震源とする地震が増えてきている。

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[南海トラフ地震とは何か]

静岡県の駿河湾から鹿児島県の沿岸まで続く南海トラフで起こる地震は、ユーラシアプレートにフィリピン海プレートが潜り込むプレート境界で起こる。約150年に一度、東海・東南海・南海地震が3連続し最大マグニチュード9クラスの地震を発生させると言われている。最悪の想定では死者は32万人、経済損失は220兆円と算出されている。

関東・中部・関西・四国・九州の主に太平洋沿岸部に地震と津波をもたらす。この地域には日本の人口の約51%が集中する。

政府の中央防災会議の「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」がこれまで三回に渡って被害想定を出しているが、そこには最も重要な被害想定が欠けている。

想定されている南海トラフ地震の震源領域には、中部電力浜岡原発3基と四国電力伊方原発3基、計6つの原子炉がある。

しかしこれらの原発事故に因って起こる被害については一切触れていないのである。そしてこの事実について、マスコミ各社も全く異論を呈さずにこれまで来てしまった。

しかし前述したように、日本は現在千年に一度とも言われている天地動乱の時代に入った。

そこで原発震災に因ってどんなことが起こるのかの想定とその解決策の端緒を記したい。

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[2つの原発の被害想定]

南海トラフ地震は150年に一回の割合で東海・東南海・南海地震が連続して起こり、最大でマグニチュード9を超えるような地震になるといわれている。

想定されている南海トラフ地震の震源領域には、中部電力浜岡原発3基と四国電力伊方原発3基、計6つの原子炉がある。合わせて7つの使用済み燃料プールがある。

日本列島は平地が少なく山間部が多い。数少ない平地(関東平野南部・濃尾平野・大阪平野)に人口は密集せざるをえないが、ここは定期的に大地震が発生する運命にある。そうして南海トラフ地震が起こる度に三大平野に甚大な被害が起こってきた。

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[東日本大震災があぶり出したもの]

日本に震災が起こった時、原発が大きなリスクになって複合災害が起こると早くから警鐘を鳴らし続けいていたのは神戸大学名誉教授の石橋克彦氏とジャーナリストの広瀬隆氏だ。だが東日本大震災では両氏の想定を上回る危険性が原子力発電所にあることが発覚した。

東日本大震災の発生直後、原子炉には制御棒が入って核分裂は間一髪で止まったのだが、原子炉の下部の配管の破損により圧力容器から水が抜け、津波到達よりも前に地震直後から燃料棒がむき出しになりメルトダウンに至ってしまった。

なおかつ今まで見過ごされてきた原子炉に勝るとも劣らないほど使用済み燃料プールの危険性が高いということが露呈されたのだった。

東日本大震災の時、福島第一原発4号機の原子炉は定期点検中で原子炉には燃料棒が入っていなかった。にもかかわらず、隣の3号機の爆発に因って4号機の使用済み燃料プールが傾き、崩壊の危機に陥った。この燃料プールの中には使用済み核燃料が1535体あったが、大きな余震でもあればプールの配管から水が抜けプール内の温度が上がり再臨界が起こる可能性や、プールの横転により燃料棒が折り重なってメルトダウンする危険性があった。もしそんな事態に陥れば福島第一原発の施設内に人がたち入ることができず、他の燃料を冷却することができなくなり、とてつもない事故になり首都圏3000万人の一斉避難の可能性もあった。これが世界中で話題になり、東京電力に外力がかかって、早期に取り出しへと動いたと言われている。

一般的に原発では「止める」「冷やす」「閉じ込める」ことが大前提とされているが、燃料プールには「閉じ込める」機能が付いていない。地震大国の日本に於いては、プールに使用済み燃料を保管することが、そもそも間違いだったことが分かったのだった。

結果的には突貫工事の末、11ヶ月ほどで全ての燃料棒を共有プールに移すことに成功した。

それでは南海トラフ地震の震源領域に位置する、中部電力浜岡原発と四国電力伊方原発の具体的な弱点を見てみよう。

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[浜岡原発の弱点]

浜岡原発は日本で唯一、海岸に港湾を持たず遠浅の砂浜に立地する原発だ。それ故、原子炉の冷却に使用する海水を確保するために、砂浜から沖合にかけて長い地下トンネルが掘られている。ところが浜岡原発の真下に東海地震の震源領域があり、地震動によってこの地域は1〜4メートル隆起することが予想されている。すると取水のための地下トンネルは、地震発生とともに破断される可能性が非常に高い。津波の到達を待たずとも、原子炉の冷却が難しくなることが予想されている。

また同じく地震動によって跳ね上がる原子炉や使用済み燃料プールは、配管の破断が起こる可能性が高い。現在、浜岡原発は2〜5号機の燃料プールに計6625体の使用済み燃料棒が保存されている。

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[伊方原発の弱点]

有史以来繰り返し起こってきた南海トラフ地震と非常に密接な関係があると言われている、日本最大の活断層を中央構造線というが、この活断層のほぼ真上に立地しているのが 四国電力伊方原発である。来る南海トラフ地震では、伊方町は震度6〜7の地震が起こると予想されている。

なおかつ伊方原発の3号機はプルサーマル発電を行っているので、燃料棒もプルトニウムが6%混入されており、ウラン単独の燃料棒より格段に爆発力が高い。

また、その他の原発と同様に使用済み燃料プールの危険性もプルサーマル燃料ではひじょうに高いといえよう。現在、伊方原発の1〜3号機の燃料プールには計1408体の使用済み燃料棒が保存されている。

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[被害を最小化するためには]

原子炉を動かさないことは言うまでもないことだが、たとえ原子炉が止まっていても、燃料棒が全てプールから引き抜かれない限り事故が起きる可能性は非常に高い。燃料棒は今の今でも崩壊熱を出し続けており半永久的に冷却が必要であるからだ。前述してきた理由によって浜岡原発や伊方原発の原子炉だけでなく、使用済み燃料プールの管理がより重大な問題であると筆者は考えている。

南海トラフ地震は広域かつ、大規模な火山噴火など複合的な災害をもたらす可能性が強い。発災直後から広大な被災地では大混乱が起こり、飲料水の確保と遺体処理に忙殺されることになる。

その中で大きな原発事故を起こさないためには使用済み燃料棒を、たった今からドライキャスクという容器に入れ、乾的に原発の敷地内に安置する他はない。

合わせて数千体の使用済み燃料棒を乾式に安置するためには、可及的速やかに計画を実行に移す必要がある。なぜならば南海トラフ地震が発災する瞬間までに、その作業が完了していなければならないからだ。

もしも失敗すれば、南海トラフ地震の後は2つの原発の敷地内には誰も近づくことができず、従って手の尽くしようもなく、偏西風に乗った核分裂生成物質が10時間以内で首都圏に到達する。

福島第一原発は東日本大震災の震源地から100km離れていても、この被害状況なのである。南海トラフ震源域にある2つの原発は、想定震源域の真上にあることを私たちは決して忘れてはならない。

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[目を覚ませ、日本]

原発の被害を津波だけに押し付けて、現実の被害想定を全く行っていない国や地方自治体・マスコミ・学者は本当のリスクについて黙秘を決め込んでいる。

しかし、この国のみならず世界中の地震学者・政府関係者・基幹投資家、もちろん日本の高級官僚・経済界のトップ・一部の政治家は、南海トラフ地震後の日本の復興プロセスに一縷の希望も持っていない。単に地震・津波だけでも人類史上に語り継がれるような甚大な被害になることだろうが、まさに震源地の真上に2つの原発があるのである。

千年前の貞観地震時代と現在はよく似ていると言われているが、あの貞観地震の後もこの国が脈々と営みを続けてこられた理由はたった一つしかない。原発が無かったからである。

原発さえなければ、たとえマグニチュード9の地震が起き、何十万人が津波でさらわれようとも、必ずや復興の光が降り注ぐことだろう。私たちの国は、脈々とそうして何十回もの南海トラフ地震を生き抜いていたのだから。原発さえなければ…。

この国の今を生きる医師として知識人として言論人として、これから起こる南海トラフ地震の真の被害について思いを馳せるヒントに、本稿がなることを心から願って止まない。


2015.8.6

2015年8月6日 木曜日

 

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七十とせや瀬戸際の広島忌
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ところで…
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五輪が決まる前から何回か書いているが、わたしは五輪開催に反対で、今でも返上するべきと思っている。福島の事故のあとに、なぜ誘致をしたのか全く理解できない。
新国立競技場の問題が出てからは、そんな巨費を投じている場合ではなく、その分を福島のあらゆる放射線被害者に対して使うべきだし、高齢者対策に使うべきだとも思っている。
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ただ、自民党の河野太郎氏が打ち出した案が面白いと思った。
http://www.taro.org/2015/08/post-1626.php
もしどうしてもやるのなら、国立競技場など新しく建設する必要はないじゃないか。
いっそ、オープンスペースにして開会式と閉会式をやる。これって、世界初ではないだろうか。幾つか問題を解決すれば、最高の方法だ。
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まず、五輪規定から6万人以上の収容が必要、公共交通のアクセスが良いこと、警備がしやすいこと、選手や組織委員の待機場所があること、地震などがあった場合に避難がしやすいこと。
以上の条件をすべて適える場所が一箇所だけある、それは国会前広場だ。
選手は衆議院会館や参議院会館辺りで待機して、国会前から桜田門に向かって入場行進するの。観客は国会前エリアから内堀通りや六本木通りの周辺で見物する。
大会役員は安倍さんやら森さんやらのコネで国会議事堂を待機場所にすればいい。
最も大事なのは警備だが、それは警視庁のお手の物でしょう。
周囲に建物も無いので、下を走る首都高のトンネルの補強だけをすれば、大地震があってもけが人は出ないだろう。
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国立競技場の跡地は、森に返す。どうだい?森さん!

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