ここのところ、声の消耗が激しい。町医者というのは、一日中しゃべっているのが仕事といっても過言ではないのだけれども、それにしても声が潰れて喉が痛い痛い。声を出すのにいつもより余計に力を入れなければならない。
一つ心当たりがあるのは、ウクライナから帰ってきて、患者さん方とお話をする機会が圧倒的に増えているということだ。
福島のこと、この国の未来のこと、関心が高い方々がうちの患者さんにはとても多い。で、ついつい大きな声で話してしまう。
月曜日は教育関係者の患者さんが多くて、学校教育の中でどのように放射線防御の教育を継続していったら良いかという話になった。この問題は、実は次世代のために一番大事な問題だと思うからだ。
「風評被害とか差別とかが怖いのです」と先生。
確かに、それは怖いだろう。しかし、差別や風評被害を生む、あるいは見事にそれらを孕ませる社会(政治家の発言や報道や教育も含めて)へと巧妙に持ってゆく手口そのものが、わたしに怖くて怖くて仕方がない。
そうしてそんな社会に抗うことを余儀なくされている若いママたちの存在を、孤立させてしまう社会がわたしにはやるせなくて仕方がない。
7日には「子ども・被災者支援法」を適応して、こどもの健康調査を要請する67000筆の署名が国会議員に手渡された。
この運動を始めたのも、東葛(千葉県茨城県などの柏や松戸など)地域のママたちだ。
「放射能から子どもを守ろう関東ネット」代表の増田さんも骨身を削ってほんとうによく倒れないでやっている。
全国には、こうしたママたちが立ち上げたネットワークが沢山あって、そのいくつかとわたしも繋がっているのだけれども、東葛のママたちがいつも先頭を切って走っているのは確かなことだ。
放射線障害との闘いはこれからも長く続く。だから、まずはあまり疲れ過ぎないように行こうよね、と、我が潰れた喉で実感する夜だ。