福島原発の汚染水漏れの事故がシリアスであればあるほど、焦点がぼやけてしまいがちだが、原発労働者の方々の被ばく問題がとても心配になる。
東京に妻子を送り出し、自身は地元に残って原発で働いている方からも、この夏には余りにもバテが酷いという話を聞いて、本当に胸が詰まる思いがした。
通常の廃炉への過程でも、一日3000人の労働力を必要としている原発の中で、これほどまでにトラブルが多発してこれほどまでに暑くて脱水で倒れる人が多い中で、工事は上手く回っていくのだろうか。
5月にウクライナに行って一番日本と違っているなぁ、と思ったことの一つに、ウクライナではチェルノブイリ原発の対処に当たった原発労働者リクビナートルは、社会的にたいへん尊敬されているし、本人も誇りに思っている。
チェルノブイリ法はリクビナートルの人々が中心となって、制定されたほどなのだ。
それに比べて、日本の原発労働者の方々には、なかなか光が当たらない。TEPCOも経費削減のために人件費を減らしていると聞くし、事故の当初から多重下請けの実態が浮き彫りにされていた。
にもかかわらず、未だに待遇が変わったと聞いた試しがないのだ。
一刻も早く、もっと待遇の改善をしないと、働く人々が健康が侵害されて行っている……。
現在原発労働従事者は、労働安全衛生法に基づいて「電離放射線障害防止規則」に則った健康管理がなされているのだが、これが厳密に守られていないという事が、時々聞こえてくる。
けれども、ここをしっかりと管理してゆかなければ、彼らの健康が守られてゆかなければ、事故の収束などできるはずがないではないか。
身を投げうって働いている方々を救えないような国に、真っ当なる未来が来るとはとても思えやしない。