今週と来週の飛び石連休を終えると、いよいよチェルノブイリ視察旅行となる。
この旅行の企画を聞いたのが、確か新年会の頃のことだ。
双葉町の集団訴訟を取りまとめている仲良しの弁護士からこのツアーの話を聞いて、居ても立ってもいられず……。
超アウェイながら日弁連のツアーに入れてもらえることとあいなった。
なにしろこの目で確かめたいのは、住民による市場などでの食品検査のその「現場」だ。
人々の内部被爆問題の「意識」だ。
病院見学などができそうで、それはとても有り難いことだ。
ともかく自分の目で確かめたいことが幾つもある。チェルノブイリには日本の未来があるはずだから。
ところで、ゴールデンウィークの直後に長い休診になるため、患者さんには休診の理由をお知らせしている。
すると、毎日、何人かの方々に、帰国後に話をして欲しいといわれる。
それも「お土産話を聞きたい」というレベルではなく報告会をやったらどうか、というようなお話を頂くので驚いている。
そんな方々と原発の話題になると、みなさんとても関心を持っておられるし、日々、被爆に向き合っているのだということを改めて強く実感する。
この大災害時代を、原発震災の中で、災害復興学に携わる者として、医師として、自分は何を成すべきなのか。
それは……
甲状腺癌に矮小化されてしまっている被害の実態や動向をしっかり指し示すこと。
食品の全品検査の実施を可及的速やかに実現すること。
「原発事故子ども・被災者支援法」を単なる理念法で終わらせないために、できる限り多くの人々と繋がって、この法律を活かして施行してゆくこと。
難題が山積しているけれども、何とかこの難問の山に分け入って、後悔のないようにやっていくしかないなぁ、などと思っている春の暮れである。