ウクライナの旅の日記 5月16日(木) 改訂
ウクライナ最後の行程は、チェルイブイリ原発へ。
その3kmの所にあったプリピャチという廃墟の町も含めて見学してきた。
昨日、一昨日のコロステンの印象の方が強く、正直いってチェルノブイリ原発には殆ど感想はない。
こんな馬鹿げた人類の歴史はもうやめよう、と言うぐらいか。
27年経っても、何も終わっていないチェルノブイリ。
このチェルノブイリの悲劇の歴史から何も学ばなかった私たちの国は、安全神話という恥ずかしい絵空事を無責任にも信じ込み、押しつけ、走ってきてしまったのだ。
しかし、もう止めようではないか。この馬鹿馬鹿しい人類の歴史にピリオドを打とうではないか。
それとはまた別次元で、わたしたちの国は、もっとしっかりとした被災者救済をしなくてはならない。
27年前のソビエトにできて、今の日本にできないことが沢山あったことを知ってしまった。
そう。この目で見てきた、聞いてきたことを、これから東京に帰って活かさねばならないと、心は逸る。明け方の便で帰国の予定だ。
追記
帰国して丁度一週間ほど経った頃、東京電力福島第一原発事故による被ばく問題を調査していた、国連人権理事会のアナンド・グローバー氏の報告書の内容が明らかになった。
グローバー氏の勧告の骨子は
「健康調査について」 1)年間1mSvを越える全地域を対象にする 2)尿や血液など内部被ばく検査の拡大 3)検査データの当事者への開示 4)原発労働者の調査と医療提供
「被ばく規制について」1)年間1mSvの限度を順守 2)特に子どもの危険性に関する情報提供
「その他」1)子ども・被災者支援法の施策策定 2)健康管理などの政策決定に関する住民参加等々を提唱している。
このグローバー氏の提言は大変率直に日本政府の不作為の真髄を突いたものである。
この国連人権理事会のグローバー氏の勧告に従って、国も速やかに本格的な健康調査を実施するべきであり、出来る限り息の長い調査にするように国民運動的な盛り上がりにしてゆくことが何よりも大切だと思う次第である。