寝ようと思っていた2時25分、緊急地震速報がau iPhoneから一回鳴るより先に揺れが来た。早速テレビを付けてTwitter起動。震源地が福島県浜通りM5.8(後にM5.9と修正)と確認してから、福一カメラをチラ見しながら、福島県下のモニタリングポスト、風向き諸々をチェックしていたら、寝そびれた。
気がつけばソファーに座ったまま朝になっていた。
こういう事を、あと何年、生活の中でしてゆかなくてはならないのだろう。
福島県に住む、今ではかけがえのない友たちとも、夜中のFaccebookで無事を確認し不安を共有して……。
この地震で改めて、巨大利権や被災地復興の妨げになるという理由以外に、東京五輪への異議を考えさせられた。
第一に、福島原発は安全に収束するのだろうか。
4号機の燃料プールが倒壊寸前であると伝えられてから工事が進み、今年の年末から燃料棒の取り出しが始まるという。1500本余りの燃料棒を、一本たりともミスをしないで取り出すことが可能なのだろうか。
ここにきて汚染水問題がいよいよ深刻になってきている。そこにやれクレーンが折れた、やれ排気塔のダメージが大きい等々。
何といってもメルトダウンした燃料はどこにあるのだろうか。
第二に、首都直下地震の発生はいつだろうか。
最近になって、関東地震の発生メカニズムは「真鶴半島〜三浦半島」下にフィリピン海プレートが潜り込んで起こるプレート境界型地震であるとの説が確立した。同じプレート境界は房総半島の東まで延びる。
1923年の関東大震災では、西側のプレート境界のみが動いた結果であり、東側は未だに動いていない。そこには大きな歪みが溜まっているのだという。
第三に、南海トラフ地震の発生はいつだろうか。
東海・東南海・南海のプレート地震が起これば、その被災地域は関東から九州沖縄の太平洋側に及ぶ。この国の人口の半分は大なり小なりの直接に被害を被ることとなる。
南海トラフ地震の震源域の直上に、中部電力浜岡原発が建っている。3・4・5号機の原子炉及び燃料プールには合計で6625本の使用済み燃料が存在している。遠浅の砂地に建てられたこの原発は取水のための港湾を持たず、沖合いに冷却用取水を行う口と原子炉の間は地下トンネルで結ばれている。
御前崎一帯は地震発生時に4mほど隆起するとの予想があるが、果たしてそんな隆起に取水トンネルが絶えられるのだろうか。
中国電力伊方原発には、大きな津波の到達が予想されてもいる。
その巨大地震の発生と前後して内陸型の地震が多発する可能性が高い。そんな内陸型地震に因っても、例えば若狭湾にある原発の被害が起こるかもしれない。
この3つの現象の中で、どれか一つでも起これば五輪どころではなくなる事態になる。国の存亡の危機となるからだが、あと7年間の間、全部が無事である確率とはどのくらいなのだろう。
日本という国の東京という都市は、この67年間に人類史上稀に見る発展を遂げたのではあるが、人類史上最も自然災害に因るリスクの高い都市であるのだ。
そんなこんなを、一日中眠い頭で考えていた、母の月命日の満月の日だ。