小保方晴子さんが記者会見に出てきた。弁護士を2人連れてはいたものの、しっかり謝って、しかし異議申し立てするところはして、くだらない質疑応答にもよく耐えたと思う。
わたしは今年の3月中旬に自分のSNSで
彼女は誰一人も殺してはいない。「権威を失墜させた」と大人たちを怒らせているだけだ。待てよ、「権威」って何だろう?
「権威」って、大事故を起こしても決して謝らない某巨大なムラ組織とか・・。
ともかく、ちょっとリケジョを虐め過ぎとちゃいますか?
と、発信したら、200人近い人々が「いいね」をしてくれて、すごい賑やかなことになった。
その日、理研の野依さんの記者会見を聴いていて、非常に不快な思いがしたからだ。
「未熟な研究者が膨大な知見を杜撰に無責任に扱ってきたというのは、あってはならないことだ。倫理や教育を徹底的にやり直していかなくてはならない。」
サイエンスの最も素晴らしいところは、全ての偏見や差別を超えて、再現がなされるということに尽きる。野依さん的な言い方をすれば、女でも子供でも黒人だろうが年寄りだろうが、無能な若者がやろうか誰がやろうが同じ結果に辿り着く。
然るに、そこに辿り着くまでは、着実に一歩一歩進んでゆかなくてはならない。
丁寧な実験、データの検証、追試を繰り返し、その度に実験ノートを夜遅くまで書いて、ノートを書きながら寝ちゃって、顔を洗っている間もなく家にも何日も帰れず、カップヌードルを啜りつつ、ネズミのウンチとか白衣につけながら・・・。
だから一昔前のわたしもよく知っている研究者のイメージとはまるで違う小保方さんが、これまたものすごく信じられないようなSTAP細胞を携えて登場した時には、確かに決して軽くはないショックを受けたのも事実だった。
第一印象は「ウソっぽ」だった。
しかし、エライさん達の記者会見と世間の大バッシング大会を見ている間に、どんどん腹が立ってきた。小保方さんは誰一人も殺してもいない。
ネイチャーの厳しい査読を通った画期的な「大発見」が、仮にでっち上げだったとしても何ひとつわたしの生活は変わらない事に気がついた。
だが、もしも本当の大発見だったとしたら、とんでもなく素晴らしいことじゃないか。
STAP細胞の完成で、わたしの生活は著しく変わるだろう。だって、わたしの周囲には痛みで困り果てている人で溢れかえっている。そんな人々から採血をして、ちょっとリンパ球を分離して、「酸っぱめのオレンジュース」の中に入れると細胞が初期化されて、どんな細胞の素にもなるSTAP細胞ができるのだ。それは胎盤にさえなるという。
破壊された神経や、変形した関節、疲れ果てた筋肉、それらを全部STAP細胞で治せたらどんなにいいだろう。痛みで壊れかけた心もきっと良くなるに違いない。いや、そんなに遠くない日々に、もしかしたら自分のSTAP細胞によって治る日が来るかもしれないと、患者さんが希望を持てるとしたら、どんなに素晴らしいことだろうか。
裏にどんな輩が動いていて大金が動いているとか何とか陰謀論を一生懸命に話している人や、女性の研究者だから性差別だと訴える人だとか(一見、彼女の援護者に見えるのだがそうでもなかったりする所が残念な女性学の学者とか)、はたまた論文原理主義者のような俄学者まで、この間のこの国はちょっと皆おかしくなってしまったかのような騒ぎっっぷりだった。あまり馬鹿馬鹿しいので読んでいないが、一部の週刊誌は北朝鮮班と雅子班にも勝るとも劣らないほどの醜悪な記事を掲げていた。
今日の会見で小保方さんは、3年間で200回STAP現象を見たと確かに言っていた。
もう一度言うが、これが真っ赤な嘘であってもわたしの生活には何の影響もないが、もし本当ならば、考えるだけでわたしは幸せな医者生活を送ることができるのだ。
だって、この先、患者さんに言い続けるだろうから。
「あなたの痛みは、あなたのSTAP細胞が必ずとってくれる日が来ます。その時まで元気でいなくちゃね」って。
小保方よ、馬鹿馬鹿しい権威なんかぶっちぎれ!
公開実験で見せてくれ、STAP細胞を!