2015.7.29

2015年7月29日 水曜日

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安保関連法案が参議院での審議が始まっている。
改めて、論点が絞られてきて、野党の質問の精度も鋭くなっている。
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一方で、「戦争の前線」、武器の製造・輸出入も益々盛んになってきている。
以下は、備忘録として、昨年2014年10月7日のFacebookに書いたものだが、ここにも記しておくこととする。
この時点よりも実践仕様の武器製造に関与する企業が増えている現在だ。
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NHKスペシャル、『ドキュメント”武器輸出”防衛装備移転の現場から』を見て

2014年10月7日 14:56

5日のNHKスペシャル、『ドキュメント”武器輸出”防衛装備移転の現場から』を見て、慄然とした。
日本はこの3月まで40年余り、国是に於いて「武器輸出三原則」を貫いてきた。それを安倍内閣はあっさりと閣議決定でうち破ることとなった。
そこまでは新聞報道などで知っていた。
この番組はそれがどういう意味を持っているのかを、かなり突っ込んで取材をしていた。
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番組は今年6月にパリで行われていた「ユーロサトリ2014」の場面から始まる。「ユーロサトリ2014」の会場に来ていた、当時の武田良太防衛副大臣の言動にひっくり返るほど驚いたものだったが、それは後述するとして、この会場では防衛省の装備政策課課長の堀地徹氏が泳ぎ回る。
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堀地氏は「日本のフラッグの元で」とはっきりと12の日本企業の後ろ盾になって、世界中の軍関係者などに繋ぐ役だ。
そうしてこの度、13の国や地域と装備協力をすることになった、と笑顔で報告する。
装備協力とは、だから武器協力であり、どんどんと外国に武器を売りまくることになった、と。そこに至るには日本版NSCの厳格な審査があるということだが、何故だか理由は知らないが、その部品がアメリカに輸出されればその先は、行方を「わざと」トレースしないのだそうだ。
理由は、「価値観を同じくしている米国なので、敢えて追う必要がないので追わない事にした」という。
するってーと、アメリカのような戦争大国に売ったが最後、その武器はどんな顛末で人を殺傷するのか分からないという事ではないか。
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一方、民間の中小零細企業2社の実情をもとらえていた。
従業員数30人ほどのコイルメーカーは、思わぬ軍事外需に対して社内会議を開く。色々な意見が出たが、結局は経営トップの判断は明らかな武器転用なら断る、と。
無人飛行機に使われている高精度のレンズメーカーは、この商機を逃がさないで輸出する道を選んでいた。
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このNHKスペシャルの優れたところは、この40年間の間にどんな武器輸出のオファーがあったのかを極秘文章の情報公開制度を利用して、探っている。
鈴木善幸内閣下では、昭和54年11月にイランから軍用機のタイヤが欲しいとのオファーがあった。当時、原油の13%を依存していたイランからのこのオファーを、鈴木善幸氏は断った。つづくアメリカからのオファーも「武器輸出3原則」をテコにして、断ったという過去があったそうだ。鈴木内閣での交渉に当たった畠山氏という元官僚がいう。
「日本人が310万人亡くなった、あの戦争を決して忘れてはいけないという戒めがあった」
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現在の防衛官僚との余りの違いに慄然とした。
日本人が先の大戦で犯した罪や、ただただ無駄に死んで行った事実は、今や完全に蓋をしてしまって、儲かればいいのだというのだろうか。
ちなみに堀地課長は聞き慣れない言葉でこんなことを言っている。
「(武器の輸出をするということは、他国との)安保対話のツールになっています」
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今年6月、国会の本会議を抜け出して「ユーロサトリ2014」の会場に駆けつけた、当時の武田良太防衛副大臣。会場に展示してあった訓練用の銃のトリガーに指を当てたまま人に向け、その向けられた人から注意を受けた事がネットで大きな話題になったが、氏はテレビカメラに向かって、こう言い放っていた。
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「この市場(武器市場)は安倍政権がきり拓いた非常に大きな市場であります。日本という国家が持っている国力というものを発揮できる環境を安倍内閣がつくったわけですから、それを生かしてどんどん成長していっていただきたい」
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この言葉の示す通り来年度からは、防衛省の装備政策課は、新たに1800人規模の「防衛装備庁」として、国を挙げて武器の生産基盤を強化して行くという方針が示されている。

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集団的自衛権を行使する、武器輸出3原則を撤廃するということは、世界中に対して殺傷能力のある武器を使い・売り・その結果として多くの人々を殺傷する可能性が高いということなのだなぁ、ということがよく分かる番組になっていた。
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この問題、もう少し国民の前で開かれた形での議論をする必要はないのだろうか。こんな事で、本当にいいのだろうか……。戦争の足音は、もう既に充分高らかになっているのだ、私たちが知らない間に……。

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