9月22日 台風18号は日本列島を縦断し各地に爪痕を残しました。
被災地NGO協働センターの村井さん、増島さんは、岩手のまけないぞうの作り手さんのところをまわって神戸に戻ったばかりですが、またこの台風の被害の状況を把握し、被災された方々への支援に動いています。【2017年9月】台風18号に関する緊急ニュース第1報(2017年9月19日)
makenaizoneでも、大分県佐伯市からいつもいっしょに「まけないぞう」を応援している友だちが被害を受けてしまい心配していますが、手伝いに行くこともできず、もどかしい思いです。
そんななかで、9月22日 村井さんからmakenaizoneへ、メールをいただきました。
以下にmakenaizone青木・田中両名とのやりとりを掲載します。
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村井です。
いつも「まけないぞう」を通してご支援を頂きありがとうございます。
先日9月6日から13日まで、増島に連れられて東北の作り手さんのところへ行って参りました。
東日本大震災から6年6ヶ月が経過し、また他の件もありどうしても私たちの東北行きに関して間がかなり空いてしまったりすることも影響しているかも知れませんが、複数の被災者から「ぞうさんはまだ続けるの?」と聞かれました。
もちろん「少なくとも10年は続けますよ!」と言って来ましたが、その言葉を聞いて「じゃあもうひと踏ん張りするか」という嬉しいお言葉を頂いて参りました。ただ、その行間には、やはり発災から6年半が経ち、どこか淋しさを隠せない被災者もおられます。
やっと住まいの再建が決まった方々もおられますが、これだけ長く仮設住宅に住んでいる被災者の場合は、特にまけないぞうの回収時に顔を合わせることを楽しみにしておられる方も少なくありません。
そして、むしろ私にとって衝撃的だったのは、すでに一軒家を再建し、住まわれて1年近く以上が経過しているにもかかわらず、やはり増島が尋ねて来てくれるを首を長くして待っていて下さっている方ばかりです。
どうも、「まけないぞう」を作ることが目的ではなく、それをきっかけに集まることが楽しいとか、私たちに食事を作って振る舞ってくれたりすることを楽しみにされている、という風に感じさえします。あるボランティアを研究している研究者が、「ボランティアって作業の中身が問題なのではなく、作業をきっかけに”つながる”ということに意味がある。」と言われて、私も以前から「ボランティアは人と人との豊かな関係をつくる」と言ってきたものですから、なるほどと思った次第です。それだけに「まけないぞう」を続けていくつもりでございますので、今後ともよろしくお願いします。
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makenaizone青木より。
村井さま
ご無沙汰しております。
村井さんの東北の方々のお話を読んで、胸が熱く熱くなりました。
災害からの復興論の血の通った重厚な講義を受けているような、或いはベテランの臨床医の話を
聴いているようにも思いました。
東北の方々は、まけないぞうのご縁を大切な心の糧として、ずっと温めておられるのですね。
あの津波の後で神戸からタオルを持って声を掛けてくれたボランティアの増島さんや村井さんは、
命の、魂の恩人だったんですよね。抜け殻だった魂に、また火を入れてくれた魂の恩人なんです。
まけないぞうを作りながら、少しづつ心を整理して、暗くて長いトンネルを抜けて・・・。で、
気がついて見たら、いつもまけないぞうが有ったんですよね、傍に。
あ、涙出てきました。
改めて、こちらこそ、東北の方々にありがとうございます、と、申し上げたい気持ちでいっぱいに
なりました。
makenaizoneはこれからも、ずっとずっと、みなさんと歩んでいきたいと改めて思った秋の夜です。
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makenaizone田中より
こんにちは、田中幸子です。
ご丁寧にメールをいただき、感激しております。
ほんとうにありがとうございます。
増島さんが早速 岩手へ入られて、今日は大船渡の作り手さんもお手伝いをされたとの写真を、さきほど拝見していたところです。
誠にお疲れ様です。
村井さんのメールで、まけないぞうをきっかけに、集まったり みなさんでお話しされたりすることを、楽しみにされている作り手さんのご様子を伺って、
「そうそう、あるある そうなんだよーーー!!!」
と感じております。
アイルランドで一緒に応援をしてくれる友だちグループ(もうほとんどmakenaizoneアイルランド支部となっていますが) そして東京で一緒に応援をしている「マリア隊」のメンバー みんな まけないぞうの販売会をするたび、集まっておしゃべりをしたり、どうやったらまけないぞうのことを、他のみなさんにうまく伝えられるだろうかと考えるのが楽しくてしかたない、という心もちで、makenaizoneの小さな「孫ぞーん」が、ほうぼうで芽吹いてる感じです。
やはり「まけないぞう」という素晴らしいきっかけをいただくことで、このように何か特別に「本音を言える」関係で結ばれているように感じるのです。
応援させていただいている私たちでさえも、そのように感じているのですから、増して 作り手さんたちのお気持ちは、と想像しております。
中途半端な文面ではありますが、取り急ぎ 御礼申し上げます。
増島さん どうぞお気をつけて、皆様によろしくお伝えください。
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9月24日
村井です。
元気の出る返信ありがとうございます。(中略)
さて、まけないぞうの作り手さんのことですが、ほんとに心温まるメッセージを下さいまして、「これまでの判断は間違ってなかったんだ!」とホントに勇気が出ました。このようなつながりが出来たのも、アイルランド支部はじめゾーンのみなさまのお陰だとあらためて心から感謝致します。
今日、当センターから発進しました「台風18号に関する緊急ニュース第3報」をご覧になって頂いても、雰囲気が想像できるかと思うのですが、被災者同士の行動の早さというか、増島が釜石の不動寺に手伝いに行くよ!と連絡すれば、我も我もと盛り上がっていたようです。
【2017年9月】台風18号に関する緊急ニュース第3報(2017年9月24日)
とにかく10年は、東日本大災害と向き合って行こうと思いますが、もちろんそれ以後もつながりは途絶えないことを確信しました。
これからも、ご支援というかご一緒に被災者の傍らにいてください。よろしくお願い致します。