まけないぞう フランスへの第一歩はブールジュ(Bourges)。
ブールジュの人たちに暖かく迎えてもらった「まけないぞう」フランスへのお引っ越し。国境や文化や言葉の違いを軽々と超えて、行く先々で笑顔がいっぱいでした。
小野澤治子さんからの報告です。
2011年9月2日
フランス中央、ブールジュの町へ17頭のまけないぞうがやってきました。
運んできてくれたのは、オーストリア在住の田中幸子さん(makenaizoneホームページの編集長)です。つまり、このまけないぞうたち 日本の被災地から、神戸と東京を経由して、オーストリアに寄り道してから、フランスまではるばるやってきたのですね!ふう〜やっと着きました。長旅お疲れさん。
我が家の家族になった3頭
「ミラベルはママ、ちょっと大きめのパパは、ミラボー、ちいさい黄色のべべは、ミラクル!!です。ミラクルちゃんは、何かいい方向へ「奇跡」(ミラクル)を起こしてくれるかも知れない!みんなで力を合わせれば、なんとかがんばっていけるね。まけないぞうーー。」
私が、まけないぞうたちに名前をつけたかったのは、少し大げさかもしれませんが、ぞうのアイデンティティー つまりは、作り手さんのアイデンティティーを大事にしたい気持ちもありました。名前は、それぞれにとって大事なものです。
名前をつけることで、作り手さんともさらに強くつながるような気がしたのです。
それから、3頭の家族を迎えたかったのは、被災された方々、また現地の様子や被災者の方々を見守る日本の多くの人が感じたように、『家族』というものがいかに大事か・・・
いろんな形の家族があると思いますが、この3頭たちは、これからフランスで広がっていくまけないぞうたちの大きな家族の核になってほしいと思ったのと、みんなでなんとかがんばっていこうよというような思い、力強く東北、日本を応援したいというような気持ちからでした。
ブールジュは、パリから車あるいは列車で約3時間ほど、ユネスコの世界遺産に指定されているサンテティエンヌ大聖堂を中心に、木骨組の家々が多く並ぶ中世からの古い町です。
静かで自然にあふれ、町のすぐ外には、マレと呼ばれる湿地帯にいくつもの島が碁盤の目のように並ぶ地域があって、その島では野菜を育てたり、花を育てたり、みな家からこのマレに通って自然を大事に味わっています。6年前からこの町に住んでいる私自身も、そのマレで畑を借りて野菜作りをしています。マレの仲間たちはもとより、フランス人は日本にとても好意的で今回の震災のことでも、とても気にかけていてくれて、優しい言葉をかけてくれます。まけないぞうが到着したら、まずは、ぜひ畑の仲間たちに紹介 しようと思っていました。・・・でも、みんながいったいどんな反応を示してくれるでしょうか?
かなりどきどき、いいえ、わくわくしていました。
もしかしたら、フランス人には、びみょーな「かわいさ」かもしれないな、まけないぞうのこと、ちゃんとわかってもらえるかな?・・・いろんな反応を想像していたの でした。
さっそく その日の午後、マレの仲間たちのところへまだ袋に入ったままのまけないぞうのミラベルを持って行きました。みな真剣に聞いてくれて、すぐに「私は4つほしい」「私も買うわ」とまけないぞうの趣旨をすぐに理解してくれました。ぞうのかわいさからだと思いますが、やはり「ほしい!」と声をだしてくれるのは女性の方が早いですね。
この日は、紹介だけでしたので、次の約束をしたわけですが
「注文表に書き込めばいいの?」とか
「親戚の子どもにあげたいからいっぱい買いたい」
などの声を聞き、話せばまけないぞうはどんどん広まっていく、と感じられました。また、代金のうちの一部が、直接被災された方たちに渡されるということに、フランスの人たちもみんな非常に賛同してくれることが、よくわかりました。
ベルナデットさん フィリップさんの家へ引っ越したぞうさんたち。
それから、隣人のオデットおばあちゃんの家でも、うれしい笑顔で迎えられました。
小野澤治子