【makenaizoneHP編集長の田中幸子より フランスのお便りです】
フランスの東のフランシュコンテ地方 ブザンソンに住むイザベルとジャンジュリアンは、子ども3人といっしょに「まけないぞう」を応援しています。
「まけないぞう」が到着したときのことは、こちらをご覧ください。
イザベルとジャンジュリアンの家族は、3.11のとき、東京の中野区に住んでいました。
5年間の滞在を終わって「そろそろフランスへ帰ろう」と支度をしていたやさきに、震災が起こったのです。
そのあとブザンソンへ帰ってきて、今にいたります。
「あの激しい地震に怯えた日々 それからフランスへ戻って 日本のことをほんとうに分け合うことがなかなかできずにもどかしい思いで暮らした。今でもまだ、フランスに慣れたとは言いきれないと思う」 ということです。
「地震のこと、原発のこと、日本に友だちを残して帰ってきて、自分たちは逃げ出してしまったような気がして、ほんとうに後ろ髪を引かれるし、日本に残っていればもっともっと、いろいろ出来たことがあったのではないか・・・ 今でもそう考えない日は一日もありません。」
「やっぱり 違うものを経験したことによって、それより前の自分たちに戻ることはないのだとわかったから、考えははっきり伝えることを伝え、信念に従って生きて、いっしょうけんめい子供を育てるしかないのだと思う」
・・・ そう力強く語っていました。
人 生、いろいろあるけど、そして考えの違う人たちや感受性も見ている方向も違う人たちと触れ合うのは毎日だけれど、思ってもいなかったようなことを経験した り、辛い思いをした人たちを目の当たりにしたら、そのことをきちんと受け止め、向き合って、一歩一歩丁寧に生きていくしかないんだね・・・見ないふりをし たり、わからないまま蓋をしておくことなんか、できないよね。そう話す彼らの真剣さが、とても潔く感じます。
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そんなわけで、イザベルは、仕事場に「まけないぞう」の「さくらちゃん」を大切に飾っています。
子どもたちも、みんな「マイまけないぞう」を可愛がっています。
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また、田中が何十年も前に学生だったときにお世話になったエリザベート先生にもお目にかかりました。
もう70代半ば、1年ほど前にご主人を亡くしてがっくりきていたときに、前回は訪ねたのでしたが、それからまた半年ぶりにお目にかかりました。
いろいろ辛いことがあっても、へこたれない強くしなやかな女性。人生の大先輩です。
半年前の悲しみのどんぞこだったときに彼女に「まけないぞう」をプレゼントしたときに、とても喜んでくれました。今回はぞうさんのことは 何も言わなかっ たのに「ほらあの ぞうさんの仕事のために使ってね」と別れ際に封筒に入れて準備してあったカンパのお金をいただきました。
そこで、また新しいぞうさん3頭をお渡ししてきました。
ぞうさんがこんなふうに、じわじわと働いていますよ。