早朝に訃報の電話が鳴った。
相手もわたしが寝ているのを承知でお知らせくださったのだろう。
電話を切ってから、わたしは突き刺さってきた現の中で、たぶん浅く眠り、短い夢を見た。
わたしは小学生。日比谷線の中でよく出会った暁星小学校の波野くんの黒い革靴とよく通る声……。
夢から醒めて、いつもの川面でシャッターを切った。
そこには舳先を岸に向けた不思議な舟がいた。黄泉へと向かう小舟だったのかもしれない。
悼 十八代中村勘三郎丈 寒暁に小さき舟のる中村屋
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早朝に訃報の電話が鳴った。
相手もわたしが寝ているのを承知でお知らせくださったのだろう。
電話を切ってから、わたしは突き刺さってきた現の中で、たぶん浅く眠り、短い夢を見た。
わたしは小学生。日比谷線の中でよく出会った暁星小学校の波野くんの黒い革靴とよく通る声……。
夢から醒めて、いつもの川面でシャッターを切った。
そこには舳先を岸に向けた不思議な舟がいた。黄泉へと向かう小舟だったのかもしれない。
悼 十八代中村勘三郎丈 寒暁に小さき舟のる中村屋