『十牛図』『秋庭歌』@国立劇場大ホール

2011年9月10日 土曜日

宮田まゆみさん・芝祐靖先生・伶楽舎による『十牛図』『秋庭歌』@国立劇場大ホールへ。
いよいよ、待ちに待った公演の始まりです!

第一部は『十牛図』。聲明(しょうみょう)と呼ばれる、仏教の僧侶たち45人による漢詩の朗読の合唱です。『十牛図』は十二世紀の作られた漢詩だそうで、これを唱うように節をつけて唱います。
複数のお坊さまがお経を唱えるときに、ちょっと節をつけてお経を唱える場面ありますよね。
で、中にはすごく良い声のお坊さまが居たり、それぞれにブレスの箇所が違ったり、少しづつ癖があったり、でも全体的にはお経がハモってすごく素敵な音楽のような……あれが聲明。

今日の第一部は、聲明のナショナルクラスの公演、と思って頂けば間違いありません。宗派の違うお坊さま45人と、笙が宮田まゆみさん、龍笛が岩亀裕子さん。
311への鎮魂に際して、45人の聲明という圧倒的な祈りが、わたしの全身に降り注がれたかのような、魂が洗われたかのような……自然に涙が出てきました。
震災で亡くなられた方々、行方の分からない方々の、一人一人の御霊に今日のこの聲明が、笙が、龍笛が、東北に向かって響きわたっていったような、そんな気持ちがいたしました。

第二部は故武満徹さんの作曲の楽曲。武満徹さんといえば、世界的なクラシックの作曲家ですが、雅楽の作曲もされていて、『秋庭歌』はよく聴くとクラシック音楽のように笙や龍笛がアンサンブルになっていたりもして……あっ、そんな評論できるほど雅楽もクラシックも知っている訳ではないのですが、ともかくあの大好きな越天楽とは、ちょっと趣の違う雅楽でありました。なんといいますか、調和のとれた優しい雅楽という感じ。もっともっとよくお知りになりたい方はコチラhttp://p.tl/bSYg

さて、日付が変わって今日は9月11日。
あの911から10年。そして311から半年になりました。この半年間、被災地の方々はどれほど大変な目に遭われたことか。翻って、思うようなお手伝いができない自分の無力を感じる日々です。

そんな日々に、宮田まゆみさんはじめ伶楽舎のみなさまの公演に呼んでいただいて、ほんとうに心からの鎮魂の機会を与えて頂きました。外は月の明るい十三夜です。


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