暖かかった日本列島が、急激に冷え込んだ。
北海道の東に爆弾低気圧がみるみる発達した8日だった。
冷え込んだ、といえば、ここの所の日中関係はコチンコチンに凍ってしまったかのようだ。
確かに、過去に色々あった両国だ。隣同士の国であるもの、だから今さら全てを白紙に戻す訳にはゆかないことも多いだろう。
殊に70年前は日本が侵略をして多大なる迷惑もかけたのだから。
しかし……
多くの尊敬する中国の人々に、ぜひとも聞いて欲しいことがある。311を経験した賢明な日本人にもぜひとも考えて欲しいのだ。
私たち日本人は2011年3月11日の14時46分のたとえ1日でも半日でも、いえ5分前でもいいから、あの日のその時に帰りたいと思っている。
帰れるものなら、帰りたい。なぜならあの日、2万人もの人々が亡くなったり行方不明になってしまったからだ。
地震によって原発が爆発したくさんの子どもたちが被爆し、今は20万人もの人々が住み慣れた家に帰れず、家族もバラバラになってしまったからだ。
私たちは東日本大震災で、改めて大自然に大いなる畏れを抱いた。畏れを忘れていた日本という国に、嫌というほど大自然の怖さを見せつけられたのだ。
そう。結局、私たち人類は、震源断層面に話しかけることも、地割れを食い止めようと説得することもできやしなかった。
けれども、人間同士なら、お互いにほんの少しだけ譲り合うことで、お互いをしっかり理解し合うことができるはずだ。
人間同士、言葉も感情も通じるのだから。
大きな地震を食い止めることはできないが、戦争を食い止めることはできる、そうでしょう?
今、日本は建国以来、最も大きな危機に瀕している。地震と原発事故で国が亡くなるかもしれないという危機の真っ最中だ。
中国の皆さん、だから助けてくれとはいわないが、どうか暫く放っておいてはくれまいか。
日本の怒れる人々よ、本当の敵を見誤ってはならい。次のひと揺れで、取り返しのつかぬ状況になりはしまいか。
殊に首都直下地震や南海トラフ地震のどちらかがくれば、日本という近代国家は終焉を迎えることになる。
中国などと、争いをしている猶予はもはや全くないのだ。
それよりも、福島の子どもたちを何としてでも救うように、「子ども・被災者支援法」の具体的運用を全力で取り組み、同時に原発事故の収束の為に原発労働者の労働改善・社会保障を確立するとともに、一刻も早く高線量地域の避難者への移住地の整備を具体化しなければならない。
日本の賢明なみなさんに考えて欲しいのだ。福島の原発事故で、この国の一部は既に戦争状態のような特殊な日々を生きている。
ぜひ、そのことをしっかり思い出して欲しい。本当の敵は、中国でもロシアでもない。ましてや北朝鮮などではありえない。それを忘れさせようとしている人々や直視しようとしない人々だということを。その裏には巨大な何がかあるということ、を。