みなさん、”あくろっしゅとわー”村井です。
2011年11月11日(金)の産経新聞の記事(この記事の下に記載)に出ていた方・・・ 青木先生が「この方に、ぞうさん作って欲しいですね!」という「この人」探して見ます。すぐには見つからないでしょうが・・・
そして、もし見つかれば「まけないぞう、つくりませんか?」って頼んでみます。
「まけないぞう」で、とりあえず救われる人が少なくないかと思いますので。
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先月でしたか、宮城県南三陸町で講習会をさせていただき、二人の方が「なんとか合格点を貰いたい!」と頑張っています。というのもこの月末同町で「復興市」という催しがあるそうです。
そこで、自分たちが作ったぞうさんを販売したいという思いから、頑張っているようです。
最初、作られたぞうさんを見たとき、「こりゃダメだ!」ということで、窓口になっておられる方(この方仮設の自治会長さんですが、津波でご主人を亡くされました。)に、
「復興市で売りたいというお気持ちは察しますが、申し訳ないですがこれではまだまだ売り物にはなりません。もう一度私が言ったところを直して、すぐに送り返して下さい。それでも、あと2〜3回やりとりすれば、OK!でしょう」
そう言って待っていると、見事に合格点の一歩手前まで来ました。
あと2回やりとりすれば、なんとか月末の復興市には”南三陸産まけないぞう”が初お目見えするでしょう。
嬉しいですね!やりかけても諦めるかたもおられるのですが、こうして拘ってくれる人がいるなんて・・・・・。みなさん、応援して下さいネ!「まけないぞう!」
ここ南三陸のある仮設団地では、「共同食堂」を建設し被災者で運営しようと言う計画があります。
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同じ産経新聞の記事の後半に紹介されている「寄り添いホットライン」ですが、じつはここの事務局に、つい先日私が副代表をしている「仮設住宅支援連絡会」の代表世話人と東京大学の似田貝香門先生とに挨拶に入って貰いました。そうしたら、「寄り添いホットライン」さんは私たちが足湯ボランティアで集めている”つぶやき”(被災者の生の声)に関心を持たれ、是非連携して仮設支援に役立てましょう!と言って下さったとのことです。これからしっかりつながって行こうと思っています。
この寄り添いホットラインを運営しているのは、社団法人「社会的包摂サポートセンター」。そもそも全国ネットワークで、自治体の首長さんや精神科医、大学の先生などが加わっています。
阪神淡路大震災のあとも、生活援助員(LSA)や見守り推進員などが見守り体制を担ってきたのですが、災害から8ヶ月でこれほど横断的なネットワークで対応しようと言う動きは、早い方だと思います。(ちなみに阪神淡路大震災後、現被災地NGO恊働センターの前身である仮設住宅支援連絡会が発足したのは8月1日でした。)
私たちの仮設住宅支援連絡会の会員は各県の仮設住宅やみなし仮設(あるいは地域によっては在宅被災者)などを日々廻っていますが、現場で何かあったときには、こういう「寄り添いホットライン」のようなワンストップ相談窓口があることで、心強くなり、見守りに力も入ります。特にいま、緊急課題として暖房器具の配布があります。
現場はボランティアが激減した中で厳しいのですが、頑張っています。
行政が届かない部分は、NPO・NGO・ボランティアという民間が配布して廻っています。
冬は、待ってくれませんので、いま現場は「間近に迫る冬との戦いです。」
この「寄り添いホットライン」に寄せられる相談内容からも、きっと「まけないぞう」につながる被災者がでてくるでしょう。
余談ですが、足湯ボランティアが集めてきた”つぶやき”が写真集になつたり、「声のアルバム100」という本になったりしています。下記にご案内しておきますので、また参考にして下さい。
明日はまた佐用町で森林間伐ボランティアに行ってきま〜す。
”あくろっしゅとわー”
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*『生きている 生きてゆく−ビッグパレット避難所記』編集・発行「ビッグパレットふくしま避難所記」刊行委員会、1500円+税
*『東日本大震災 被災者とボランティア 声のアルバム100』(東京ボランティア・市民活動センター発行、税込み600円
*私も応援している南三陸町の共同食堂建設資金の寄付のよびかけは、みなさまがOK!となればご案内します。というのは、嬉しいことですがこうした被災者中心の再建活動は結構ありますので・・・・・。
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<<<参考>>> 産経新聞 2011年11月11日(金)
仮設住宅の葛藤(上)急がれる「心のケア」 【大震災を生きる】第4部
■被災者むしばむ孤独感 無料の相談電話が“寄り添う”
「5月8日 部屋そうじにいってくる そうじにいく そしてせいりタンストゲタバコかう かえってきたら(中略)そんなに喜ぶなってすごく大きい声でおこられた…」
製鉄工場と関連施設が立ち並ぶ岩手県釜石市の市街地に建てられた仮設住宅。その一室で1人暮らしをする70代の井上ハツ子さん=仮名=がノートにつづった日記の一部だ。
「こんな思いをして生きているなんて。嫌で嫌で、もうパンクしそう。思い出さない日はありません。毎日泣いています」
◆「一日が長くて」
井上さんは津波で、義理の妹=当時(59)=を失った。市内で一緒に生花店を営み、血を分けた肉親以上のつきあい。言葉では言い表せられない悲しみを味わった。
震災2カ月後、仮設住宅に入居した。被災直後は気が張っていたが、生活が落ち着いてくるにつれ、悲しみの波が押し寄せるようになった。
「バッグを縫って近所の人にあげて喜ばれたりしています。裁縫が得意なので、毎日縫い物をしているんですよ。それでも、一日が長くて」
震災前は快活で社交的な性格だった。しかし、今はふさぎ込むことが多くなった。近くに住む同世代の女性が世間話をするために訪れるのが、井上さんの今の生きるよすがだという。血圧が急に高くなり、心配の種が増えた。
厚生労働省が6〜8月、宮城県雄勝(おがつ)・牡鹿(おしか)地区で行った調査がある。この中で、震災について思い出したくないのにそのことを思い出したり、夢に見たりする人の割合は27・9%。45・2%の人が「思い出すとひどく動揺する」、43%が「思い出すと、体の反応が起きる」と回答。被災者の心の傷は深くて重い。
被災地は、これから厳しい寒さに見舞われる。岩手県宮古市国民健康保険田老診療所の黒田仁所長は「冬になると外出することが減って閉じ籠もりがちになる。孤独感が被災者の心をむしばむのではないか」と心配する。
◆誰に打ち明けたら
被災者を精神面から支えようとする動きも出てきた。前宮古市長で医師の熊坂義裕・盛岡大栄養科学部教授は、被災自治体の首長らに呼びかけ、10月11日から無料の電話相談窓口「寄り添いホットライン」をスタートさせた。
熊坂教授は「心の悩みを誰に打ち明けたらいいのか分からず、苦しんでいる被災者は多い。本来なら自治体がやるべき分野だが、手が回らないのが実情で、取り組むことになった」と設立した理由を説明する。
相談は、岩手、宮城、福島の被災3県から受け付けている。これまでに、「もう生きられない」といった相談のほか、不眠やDV(配偶者間暴力)の相談も寄せられているという。
「心のケアには長い時間がかかる。時間しか解決してくれるものはない。その間、被災者の立場に立って寄り添っていく」。熊坂教授は長期戦を覚悟している。
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東日本大震災から8カ月。被災地にも冬が訪れる。仮設住宅へ入居した被災者たちの生活再建は途に就いたばかり。第4部では、仮設生活の現状を追う。(次回は15日に掲載します)
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【用語解説】仮設住宅
正式名称は応急仮設住宅。災害救助法に基づき、被災者が住宅の建て替えをするまでの間に提供する住宅。国土交通省によると、東日本大震災では10月17日現在、プレハブなどの住宅を5万1492戸、民間賃貸住宅の借り上げで6万556戸など計12万8584戸が確保されている。
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【用語解説】寄り添いホットライン
社団法人「社会的包摂(ほうせつ)サポートセンター」が運営。毎週木曜と土曜の午前10時から午後10時まで相談に応じている。岩手、宮城、福島の被災3県からダイヤルできる。生活全般から医療、就労などの相談に応じている。連絡先はフリーダイアル0120・279・338。